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NICe増田代表理事が送る、新たなビジネスチャンス発見法と実現へのヒント。11日配信のNICeメルマガシリーズコンテンツです。
第53回 例えば「新商品+型落ち」



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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

 第53回 例えば「新商品+型落ち」
 
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東京の私の自宅から、埼玉県越谷市にあるレイクタウンまで、
首都高を使えば、1時間ちょっとで到着できる、
ということになってはいるが、実際には渋滞がある。

事実、先日出かけた際は、往復それぞれ2時間近くを要した。

しかも、レイクタウンには巨大モールが3棟建てられていて、
その面積の合計が24万5000平米を超す(日本最大)から、
レイクタウンに「到着した」と言っても、
お目当てのショップをきっちり回ろうとすれば、
これまた数時間を費やすことになる。

灼熱下での渋滞運転&長距離歩行は、正直きつい。
だが、お盆休みを過ぎれば、私は年末まで繁忙期が続く。
心行くまで「例のもの」を物色しようと思えば、今しかなかった。

そこまでして、私が出かけたかったショップとは?

ジャジャン!(というほど意外な答えではないが)
「SKECHERS(スケッチャーズ)」であ~る。

SKECHERSはアメリカのスニーカーブランド。
最近はCMも流しているし、取り扱い店舗も増えているから、
愛用者もけっこういるのではないだろうか。
私は2年半前からのファンだ。

SKECHERSのスニーカーは、
軽くて、柔らかくて、曲がりやすい。通気性も良い。

加えて言うなら、
ビジネスシーンで履けるデザインもあれば、
当然のことながら、完璧にカジュアルなデザインもあり、
TPOを限定せずに、商品を探せる便利さと楽しさも魅力だ。

なおかつ、価格帯がよろしい。安すぎず、高すぎず。

「わかった、わかった。増田のSKECHERS好きはよくわかった」と、
言われそうだが、もちろんSKECHERSを布教したいわけではない。

そもそも、SKECHERSを買うだけなら、
わざわざ越谷まで行かずとも、都内で買える。

ではなぜ、越谷のレイクタウンまで足を延ばしたのか?
ここからが核心だ。

冒頭で紹介したように、レイクタウンには3つのモールがある。
そのうちのひとつ、「レイクタウンkaze」には、
SKECHERSのコンセプトショップが入っている。

一方、「レイクタウン アウトレット」というモールには、
その名が示すとおり、SKECHERSのアウトレットショップがある。

頻繁に買い物に出かけるわけでもない私にすれば、
新商品も気づけば型落ちになっていて、
すでに店頭から消えていることも珍しくない。

なので、新旧取り混ぜた多様な商品の中から、
お気に入りを選び出せる環境がありがたいのである。

しかも両店舗で買い物をした場合、
商品の平均購入単価も下がるから、さらにありがたい。

もっとも店舗側から見ると、
在庫品だけを処分するよりも、平均購入単価が上がることになる。
いわばウイン-ウインだ。

また、アウトレットで気を引き、あわよくば新作も買わせる。
反対に、新商品で気を引き、あわよくば在庫もクリアする。
そういう企図も成立する。

そう考えると、
スーパーの夕方のシーンも同じ理屈なのかもしれない。

例えば鮮魚売り場。
正価のままのサーモンの刺身もあれば、
3割引になっている真鯛の刺身もある。
両方買えば、消費者もお得、店側もお得である。
「新商品+型落ち」のスニーカーを購入するのと同じ理屈だ。

つまり、同じカテゴリーに属しながらも、
異なる「価値」を持つ商品を、
同一顧客に併せて買ってもらう。

この発想が集客と利益の両方に貢献する。

言ってみれば、抱き合わせ販売だが、
この方法は、通常のセット商品づくりとは異なり、
「高くてもいいから新しいものが欲しい」というニーズと、
「古くてもいいから安いものが欲しい」という、
相反するニーズの両方を捉える点に特徴がある。

どうだろう。
決してスニーカーや鮮魚に限った作戦ではないはずだ。
いろいろな業種で応用できるだろう。

「同一カテゴリーだが、有する価値が異なる商品(サービス)」。
これらを抱き合わせで売る仕組みを考えよう。



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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.193
(2023.8.14配信)より抜粋して転載しました。
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